受信ブロックとIPウォームアップ

ワイメールでは、その特性上、ご利用者様お一人お一人に専用のメール配信環境を立ち上げて貸与いたします。そのためもちろんIPアドレスもお客様専用のものとなります。

そのため、配信元の一貫性が担保され、他社の配信のレピュテーション(評判・格付け)が自分自身に影響されにくく、自分の良い評価が反映されやすいと言えます。

しかし逆に言えば、そのメール配信環境から配信されるすべてのメールのレピュテーションに、配信者がすべて責任を持つこととなります。

専用IP&専用環境のデメリットの一つとして、携帯キャリアやフリーメールサービス側の受信ブロックという問題があります。

今回は、受信ブロックとは何か?またその対策はあるのか?などについて解説していきます。

おさらい:受信ブロックとは

受信ブロックとは、メール配信に関して言えば、「メールを送った相手先のメールサーバが、何らかの理由で一時的または恒久的に受信を拒否すること」です。受信サーバ側のスパム対策の一種となります。(なお、受信サーバ側の管理者を、総称してISPと呼ぶことがあります)

ワイメールでは、受信ブロックが発生した際はほとんどの場合、配信履歴で配信エラーとして記録されます。

参考)配信エラーについて

受信ブロックが発生する原因は?

一般的には、まだ十分なレピュテーション(評判・格付け)を獲得していない、またはレピュテーションが低いメール配信元から、単位時間あたりに大量のメールを受信した場合や、一定割合のエラーが含まれていた場合などに発生するといわれています。

しかしその基準などの詳細は、各ISP管理者側の運用ポリシーとなるため、一般には公開されていません。

ワイメールでは、利用者個別に専用IPを提供しており、初期設定時にはほとんどの場合未使用または長く利用が無かったIPアドレスを割り当てます。したがって初期設定が完了した直後のメール配信環境は、レピュテーション(配信元の評判・格付け)がほぼ無い状態となります。

ワイメールご利用者の受信ブロックを受けるタイミングが、ご利用開始直後に一番多いのも、上記の理由が関係しているものと推測できます。

対策の目安は?

事前に有効なメールアドレスのみを選別

まず一番の基本としては、配信先リストは、宛先が存在する有効なメールアドレスのみを選別してください。

エラーメールが多くなるほど受信側では警戒するようになり、またワイメールのシステムにも大きな負荷を与えてしまいます。(ワイメールではご利用規約により10%以上のエラーメールを含む配信を禁止しています)

可能な限り配信間隔を長くとる

2020/6/9追記:
ワイメールVer2.15から「自動IPウォームアップ機能」が追加されたため、Ver2.15以降では手動で送信制限を行う場合にのみご参考ください。

 

短時間になるべくメール配信が集中しないよう、許容できる範囲内で、できるだけメール配信間隔を長くとることをお勧めします。

この設定は「メール送信設定」メニューの「送信制限」から設定が可能です。

なおデフォルト状態では、「100通送信したら1秒待つ」に設定されています。

※本コラム執筆時点

メール送信設定メニューのイメージ

送信制限の設定イメージ

有用で適切なコンテンツの作成

読者が望む有用な情報を提供できるよう、メール配信コンテンツの充実に努めてください。もちろん、関連法規にのっとって、配信解除方法の記載や配信者情報の記載なども適切に行ってください。

IPウォームアップ

2020/6/9追記:
ワイメールVer2.15から「自動IPウォームアップ機能」が追加されたため、Ver2.15以降では、独自にウォームアップスケジュールを設定する場合にのみご参考ください。

 

特に初期時には、SendGrid社でも推奨する「IPウォームアップ」を行うことを推奨しています。

IPウォームアップの詳細は「受信ブロックを回避するための目安はありますか?」を参照してください。

ステップメールではどうやってIPウォームアップを行う?

2020/6/9追記:
ワイメールVer2.15から「自動IPウォームアップ機能」が追加されたため、Ver2.15以降ではこのセクションの対応は不要です。

 

初期に通常の号外メール配信のみを扱う場合は、先にあげたリンク先の方法で可能ですが、ステップメールなどの場合は段階的に配信が行われるので、次の日に自動的に配信される部数も差し引いて、読者を登録していく必要があります。

仮に、

  • ストーリー1:1日目
  • ストーリー2:2日目
  • ストーリー3:3日目
  • ストーリー4:4日目

といった構成だった場合、別掲の「IPウォームアップスケジュール表」でいくと、

  • 1日目に50件を登録
  • 2日目に50件(100-50)を登録
  • 3日目に400件(500-100)を登録
  • 4日目に500件(1000-500)を登録

といったスケジュールになります。

もしすでに読者を登録してしまっている場合は、あらかじめ任意の属性を1つ作っておき、1日目のストーリーで「配信の保留」設定と「配信フィルタ」の設定を行います。

例)

あらかじめ「共通設定」→「属性設定」から、適当な名前の属性を作成しておく。(ここでは属性名を「属性A」とします)

1日目のストーリーに「配信の保留→フィルタ条件に合わない読者、配信フィルタ→属性:属性A」を指定して保存

ストーリー1選択時のイメージ

「配信の保留」設定イメージ

「配信フィルタ」設定イメージ

  • 1日目:ランダムな読者50人に、属性「属性A」を付ける
  • 2日目:「属性A」の無い読者50人(100-50)に、属性「属性A」を付ける
  • 3日目:「属性A」の無い読者400人(500-100)に、属性「属性A」を付ける
  • 4日目:「属性A」の無い読者500人(1000-500)に、属性「属性A」を付ける

さらに受信ブロックのリスクを低減したい時

さらに不測の受信ブロックの確立を低減させるため、ワイメールでは、「複数分散&受信ブロック回避オプション」もご提供しております。ぜひご検討ください。

当オプションについては、こちらも併せてご参照ください。

最後に

今回は、受信ブロックとその対策の目安についてご案内しました。

同一のプライベートIPで継続的に有用な情報を配信することにより、メール配信を重ねるたびに受信者および相手先メールサーバの信頼を得て、継続的に高い到達率を確保しながら低価格でメール配信を続けることができるのが、ワイメールの最大の特徴です。

ぜひともそのメリットを最大限発揮できるよう、適切な運用に努めていただけますと幸いです。引き続きワイメールをよろしくお願いいたします。

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