今回も当コラムをご覧いただきありがとうございます。
さて先日公開いたしました、ワイメールVer2.15において、標記の「自動IPウォームアップ機能(β版)」の提供を開始いたしました。
IPウォームアップの重要性と、それに対するワイメールの対応状況を、今一度、本記事にてご確認いただけますと幸いです。
目次
自動IPウォームアップ機能とは?
ワイメールの特徴である、リソース完全独立型のメール配信環境は、以下の記事で書かせていただいたように、送信元の一貫性が担保される、他社のメール配信が自社のメール配信に影響を及ぼさない、配信環境(ドメイン及びIP)のレピュテーションを育てることができる、など多くのメリットがあります。
しかし反面、同じドメイン宛てに、単位時間あたり一定量以上のメールを配信すると、そのドメインの受信サーバからブロックを受けてしまう可能性があるという点が、独立環境型の唯一のデメリットでもありました。
この対策として有効な、配信制限の機能を利用したIPウォームアップの重要性を、「受信ブロックとIPウォームアップ」で以前書かせていただきました。
今回のVer2.15で追加された、この「自動IPウォームアップ機能」は、メール配信システムが自動的にIP年齢を判別し、IP年齢に適した送信制限を適用し、配信間隔を自動的にコントロールしてくれる、といった非常に優れた機能です。
つまり、今までIPウォームアップを行うためには、メールの配信数や配信時期に合わせ手動で送信制限を行っていただく必要がありましたが、「自動IPウォームアップ機能」を利用することにより、配信者が特に意識することなく、適切な配信間隔でIPウォームアップが行われるということになります。
IP年齢とは?
IP年齢とは、あるIPアドレスのメール配信サーバから初めてメールを配信した日を0日とし、その後、そのメール配信サーバから配信された日が何日あったか、を表す単位としてワイメールでは定義しています。
例えば、そのIPから初めて配信を行った後、さらに配信を行った日が今日までに3日あれば、IP年齢は3日と定義されます。
ただし配信を行わなかった日が一定日数続いた場合、IP年齢は0日にリセットされます。
例えばワイメールのデフォルト設定では、最初の10日間は配信を行い、その後21日連続して配信を行わなかった場合は、21日目(通算31日目)にIP年齢は0日に戻ります。
これは、ほとんどのISPで、レピュテーションのデータを一定期間保存し、それを超えるとデータが削除され、評価が振り出しに戻るためです。
自動IPウォームアップの設定
有効化
自動IPウォームアップ機能を利用するには、ワイメールVer2.15以上である必要があります。Ver2.15未満の場合は、「共通設定」→「バージョンアップ」から最新版にバージョンアップを行ってください。
Ver2.15以上であることが確認できたら、メルマガの概要画面から、「メール送信設定」を選択します。
「現在IPウォームアップ機能は有効になっています」と表示されている場合は、すでに自動IPウォームアップが有効となっており、ウォームアップスケジュールに従って、配信間隔が自動的にコントロールされます。
「現在IPウォームアップ機能は無効になっています」と表示されている場合は、「自動IPウォームアップ設定へ」をクリックします。
「自動IPウォームアップ機能を有効にする」にチェックを入れます。
ウォームアップ完了後の動作の設定
「スケジュール終了後の動作」の項目で、IPウォームアップが完了した場合に、引き続き自動IPウォームアップ機能を有効にしておくかどうかを決めます。
「自動IPウォームアップ機能を無効にする」を選択した場合は、スケジュール終了後、手動送信設定で設定された配信制限が、恒久的に適用されます。
「自動IPウォームアップ機能を有効のままにする」を選択した場合、スケジュール終了後、スケジュールされた最大日数(デフォルトでは21日)以上配信が無かった場合、再度IP年齢が0に戻り、最初からIPウォームアップが行われます。
メール配信が不定期で、最大日数(デフォルトでは21日)以上、メール配信の間隔が空いてしまう可能性がある場合などは、こちらを選択しておくことをおススメします。
「設定を保存」をクリックして適用します。
ウォームアップスケジュールの設定
自動IPウォームアップを有効にした場合、初期状態ですでに、ワイメールで推奨する適切なウォームアップスケジュールがスケジューリングされています。
特に理由がない場合は、スケジュールを変更する必要はありません。
例えば独自のスケジュールを計画している場合や、配信制限を厳しくしてさらに積極的なウォームアップを行いたい場合などは、スケジュールをカスタマイズすることができます。
スケジュールをカスタマイズする場合は、先ほどの画面の「スケジュール設定」をクリックします。
必要に応じて、スケジュールの行を追加・削除、「送信制限(毎時)」の値を書き換えるなどし、カスタマイズします。
「設定を保存する」をクリックして適用します。
自動IPウォームアップはメルマガごとに適用可能
ここまでご説明した通り、自動IPウォームアップを行うかどうかは、メルマガ単位で設定することが可能です。
つまり、
- 宛先受信サーバの仕様が決まっており、決まった送信制限を適用すればよいメルマガ
- SMTP指定配信を行う場合で、SMTPサーバの仕様により、推奨される配信制限があるメルマガ
など、ワイメール側でIPウォームアップを行う必要性が低いものについては、自動IPウォームアップを無効にし、今まで通り手動での送信制限が可能です。
すべての弱点が克服されたワイメール
今回の自動IPウォームアップ機能の提供により、配信者ごとの運用方法のギャップが限りなく小さくなり、どなたでも適切な運用が行えるようになりました。
適切な運用方法を知っている利用者がより大きなメリットを享受でき、知らない利用者が享受できにくいといった、独立環境型メール配信システム特有かつ唯一とも言える弱点が克服され、より洗練された汎用性の高いサービスとなったと自負しております。
ワイメールの独自機能であるIDMSと、今回の機能追加により、限られたリソースで最大のパフォーマンスを発揮するためのソフトウェアの仕様として、ほぼすべての要件を満たしたと言えます。
これにより、配信者はより一層、コンテンツ作成とマーケティングに労力を割いていただくことが可能になりました。
日々進化するメール配信システムである、ワイメールを今後ともよろしくお願いいたします。
免責事項
本記事の内容は、記事執筆時点の内容です。今後のバージョンアップなどにより、一部の機能やインターフェイスが変更になる場合がございます。
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