本記事は執筆時のサービス内容に基づいて書かれております。2020年3月以降における自社ブランド化の有無の取り扱いは、以下のポストをご覧ください。
ワイメールを申し込む時に、独自ドメインを持ち込むべきか否か?
ご利用をご検討中の方から、頻繁に頂くご質問です。
残念なことに、このようなご質問には、はっきりとしたお答えは出来ません。
なぜなら、個々のご利用者様の「運営方針」に関わることなので、正解が無いからです。
では、もしこのコラムの筆者(ワイメールの中の人)がワイメールの利用申し込みをするとしたら、独自ドメインは持ち込むでしょうか?
筆者なら、迷わず独自ドメインを持ち込みます。
目次
ドメインに付与される信頼性は軽視できない
メールマガジンを確実に配信するためには、メールマガジン配信元の信頼性(Reputation)が重要になります。
では、その信頼は配信元の何に付与されるのでしょうか?
メール配信元の「信頼」に関する基準は、各メールサービス提供事業者が定めたポリシーに依存します。
また、多くの場合、その基準は非公開になっているので、彼らの規定する「信頼できる配信元」の基準は類推するしかありません。
ただ、メール配信元をある程度特定できる「IPアドレス」と「ドメイン」は、メール配信元の信頼をはかる上で、影響力の大きい要素であると言われています。
IPアドレスに対する信頼性については、「受信ブロックとIPウォームアップ」に記載致しました。
ドメインについてもIPアドレス同様に、メール配信元の信頼が付与される要素として軽視できない存在だと考えられているのです。
ドメインとIPアドレスによる信頼性の特徴の違い
IPアドレスは1台のコンピューターに割り振られるリソースです。
メールマガジンは、特定のIPアドレスを持ったコンピューターから送信されますが、メールマガジンとその送信元となったコンピューターのIPアドレスは容易に結びつけることが出来ます。
但し、1台のコンピューターには、複数のメルマガ配信者を同居させることが可能です。
この状態を、「IPアドレスを共用している」と言いますが、共用IP環境のコンピューターから送信されたメールマガジンの配信者を、IPアドレスという属性だけで特定することは出来ません。
同じIPアドレスを配信元とするメールマガジンでも、その配信者は別人という可能性があるのです。
一方、ドメインが他者と共用されることは、一般的にはありません。
つまり、ドメインの所有者は一意に特定することが出来るのです。
このようなドメインとIPアドレスの特徴の違いは、メール配信元の信頼性をはかる際にも当然考慮されると考えるのが自然なことでしょう。
そして、この両者の質の違いへの理解は、メールマガジン運営者の知識として有意義なものだと言えるのではないでしょうか?
メルマガ配信元の信頼は時間をかけて育てる財産
独自ドメインであっても、メルマガ配信元としての信頼を得るためには、IPアドレスと同様に時間がかかります。
堅実なコンテンツ配信を心がけ、メールマガジンの受信者にとって有益な情報を配信し続けること。
そのメールマガジンを受け取った読者が、受信後すぐにゴミ箱に移したり、迷惑メールとしてマークしたりせずに、コンテンツに目を通した後も長く自身の受信ボックスに保存するような内容を積み重ねて、初めて配信元の信頼を醸成できるのです。
時間をかけて獲得した信頼は、メルマガ配信者にとってかけがえのない「財産」になることでしょう。
ワイメールでは、お客様一人一人に独立したIPアドレスをご提供しております。
しかし、このIPアドレスはお客様に貸与しているリソースです。
もし、お客様がワイメールのご利用を解約される場合、IPアドレスはお客様の手を離れてしまいます。
そして、恐らく同じIPアドレスは二度と手に入らないでしょう。
では、独自ドメインはどうでしょうか?
独自ドメインはお客様の持ち物です。
お客様がワイメールのご利用をやめても、独自ドメインは無くなりません。
その独自ドメインに付与された「信頼」もお客様のお手元に残ったままです。
ワイメールを離れて、他社のメルマガ配信システムに移ったとしても、独自ドメインを新しいメール配信システムに持ち込めば、そのドメインに付与された信頼は引き継げる可能性が高いのです。
これこそが、自身の持ち物である「独自ドメイン」でメールマガジンの運用をするべきと考える理由なのです。
独自ドメイン利用のデメリット
独自ドメインには維持費がかかる
独自ドメインを保持するためには、維持費が必要になります。
多くの場合、年に一回程度、ドメイン利用料を納めることになります。
万が一、ドメインの管理を怠り、ドメインの更新を忘れてしまうとドメインが失効してしまいます。(独自ドメインは失効する -ドメインの基礎 –)
技術的な管理を自分で実施しなければならない
独自ドメインを利用する際には、ほぼ例外なくネームサーバーの設定が必要なります。
少々技術的な知識が必要な「ネームサーバー設定」は、多くの場合、サポートを受けることが出来ず自己責任で行うことになるでしょう。
有識者からの助言がないと、些か難しいかもしれません。
中古ドメインには要注意
メールマガジン配信者の信頼は、独自ドメインに与えられます。
もし、購入したドメインが、過去スパムメール配信者に使われていたドメインだとしたらどうでしょう。
そのドメインには、スパムメール配信者としての、マイナス評価が付与されているかもしれません。
ドメインを用意する際には、そのドメインの経歴についても、自身の責任で注意深く調査する必要があるのです。
独自ドメインに積み上げた信頼はメルマガ配信環境を越えた資産
ワイメールは、独自ドメインをお持ち込みにならなくてもご利用出来ます。
独自ドメインをお持ち込みにならない場合、当社指定のサブドメインを割り当てた状態でメール配信システム環境を構築します。
このサブドメインの環境はお客様専用となりますので、他者からの影響を受けず、運営者様だけのメール送信環境としてご利用頂くことが可能です。
しかし、ワイメールから割り当てられたドメインは、ワイメールのご利用を止めてしまうとお客様のお手元には残りません。
お客様がドメインに対して積み上げた「信頼」は、ワイメール解約と同時に消滅してしまうのです。
一方、独自ドメインをお持ち込みになった場合、ワイメールを解約してもご利用されていたドメインはお客様のドメインとして残ります。
そして、そのドメインを他のメール配信システムに持ち込むことも出来るかもしれません。
このように、独自ドメインを利用する最大の利点は、メール配信システムを乗り換えたとしても、そのドメインを保持し続けることが出来る点にあるのです。
独自ドメインに対して積み上げた信頼は、メルマガ運営者自身の財産となることでしょう。
だからこそ、メールマガジン運営は自身の管理下にある独自ドメインで行うべきなのです。
ご利用者様毎に割り当てられた専用IPアドレスと独自ドメインの組み合わせは、メールマガジン配信元の信頼を積み上げるための最適な環境であると言えるでしょう。
育まれたメールマガジン配信元の「信頼」がお客様の利益に繋がれば、メール配信システムを運営するワイメールのスタッフとしても、とても嬉しいことです。
今後もワイメールをよろしくお願いいたします。
“メール配信システムに独自ドメインを持ち込むメリットとデメリット” への4件の返信
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