ワイメールVer2.15から「自動IPウォームアップ機能」が追加されました。Ver2.15以降では、手動で送信制限を行う場合や、実際に受信ブロックが発生した場合などに本記事をご参考ください。
誰でも簡単に利用できるフリーメールサービスは、利用者も多く、私たちの日常に深く浸透しています。
メールマガジンの配信先としてフリーメールのアドレスが利用されるケースも少なくありません。
メルマガ配信先として存在感の大きいフリーメールですが、配信したメルマガがフリーメールサービス側にブロックされてしまうことがあります。
そのような時に試してみたい、ワイメールの「送信制限」機能についてお伝えいたします。
目次
受信ブロックのポリシー
フリーメールサービスは利用者が多いこともあって、メルマガの送信先にも、たくさんのフリーメールアドレスが指定されています。
そのような中、多くの読者様を抱えているメルマガ運営者様を悩ませるのが、フリーメールサービスの「受信ブロック」ではないでしょうか?
受信ブロックが発動される基準が公開されていないことも悩ましさに拍車をかけます。
メールマガジンの運営者には、受信ブロックが発動されないように、慎重なメルマガ運営が求められてしまいます。
受信ブロックが発生する原因については、
受信ブロックとIPウォームアップ にも記載がございますので、是非ご参照ください。
ワイメールの標準機能「送信制限」について
ワイメールには「送信制限」という機能が標準で用意されています。
メルマガの送信間隔をコントロールするという機能ですが、数多いメルマガスタンドでも、あまり見ることのない稀有な機能ではないでしょうか?
この「送信制限」機能、ワイメールの公式マニュアルでも扱いが小さく、ちょっと目立たない存在です。
目立たないながらも、一部のご利用者様に大変重宝されている機能で、受信ブロックに対して意外に有効な対策となり得ます。
受信ブロックとIPウォームアップでも、サラリと触れている「送信制限」機能、設定は簡単なのですが、より効果的にご活用頂くための、ちょっとしたTipsがあります。
「送信制限」の設定方法
「送信制限」の設定方法は非常に直感的で、一度に配信するメールの数と、メール配信後に待機する時間を指定するだけです。
動作としては、テキストボックスに設定された数のメールを配信したら、テキストボックスに設定した時間だけ待機してから、次のメール配信処理に移行するというシンプルな機能。
こんなメール配信機能が何の役に立つの?と思われる方、多いかもしれません。
要するに、メールの配信間隔を指定する機能なのですが、この機能を活用すると、同一のフリーメールサービスに対する大量のメール送信をコントロール出来るのです。
一定の間隔を空けながら、メールを配信することで、受信側にスパムメールを疑われるリスクを回避出来るかもしれません。
「送信制限」運用時の注意点
「送信制限」は、メルマガIDごとに1つだけ設定出来ます。
ということは、送信制限を設定したメルマガから配信されるメールは、全て同じ送信制限の影響を受けるということになります。
例えば、60人の読者が登録された「お買い得情報」というメルマガIDで、送信制限を「10通送信したら10分待つ」という設定にした場合、全てのメールが配信されるのに、50分必要になります。
メルマガ運営者としては、何とか効率化して、もっと短時間でメールを配信したいと思うもの。
そこで、もう一つメルマガIDを作成して、読者を30人ずつに分割し、2つのメルマガで同時に配信を行おうと考えました。
確かに、複数のメルマガで同時に配信すれば、送信完了までの時間は短縮できそうです。
一見すると素晴らしいアイデアのようですが、これはやってはいけない運営です。
なぜならば配信元となる同一のIPアドレスから、単位時間中に配信されるメールの数が増えてしまうからです。
そもそも、なぜ「送信制限」をする必要があるのかという点について、もう一度考え直してみましょう。
ワイメールから配信されるメールは、その環境に割り当てられたIPアドレスを配信元として、各フリーメールサービスなどに配信されます。
フリーメールサービス側の受信ブロックポリシーは非公開ではあるものの、短い時間の間に、同じIPアドレスから大量のメールを受信した際に、受信ブロックが発動されるのではないか?ということは想像できます。
上記で述べた、複数のメルマガを同時に動かして配信されるメールは、結局、短い時間の間に受信側サーバーに送り付けることになってしまうのです。
メールを受信する側の立場で考えると、もう少し分かり易くなるかもしれません。
ある時、突然メール受信サーバーが忙しくなります。
メール受信サーバーが忙しさの原因を探ってみると、同じIPアドレスから大量にメールを送り付けられていることが判明しました。
メール受信サーバーでは、緊急避難的にそのIPアドレスからのメールを受信ブロックすることにします。
受信ブロックが作動する可能性として、あり得るロジックではないでしょうか?
「送信制限」の便利な使い方
メルマガID毎に、配信先となるフリーメールサービスが決まっていたとしたら、どのような運用が出来るでしょうか?
例えば、AというメルマガIDにはgmailの読者リストだけを保持する。
BというメルマガIDにはiCloudの読者リスト、CというメルマガIDにはOutlookの読者リストというように、メルマガID毎に読者リストを管理すれば、3つのメルマガを同時に配信しても、特定のフリーメールサービスに対するメール配信数はコントロールできます。
メルマガID毎に読者リストを細かく管理する手間はかかりますが、ご利用の環境におけるレピュテーション(評判・格付け)を獲得するまでは、慎重な運用を心がけることが肝要。
少しの手間をかけてでも、まじめなメール配信元である実績を積み上げましょう。
「送信制限」の推奨値
具体的に「送信制限」に設定する推奨値については気になるところです。
残念ながら、ワイメールの運営では「送信制限」の推奨値はご案内しておりません。
ワイメールご利用者様の中には、「送信制限」の値を試行錯誤しながら運用されている方も少なからずいらっしゃいます。
数多あるフリーメールサービスごとに有効な「送信制限」の値を、どうかメルマガ配信のノウハウとして蓄積して頂ければと思います。
メルマガの配信方法を細かく指定できることの重要性
メルマガ配信において、メール到達率はとても重要な要素です。
ワイメールでは、お客様一人一人に専用のメール配信環境をご用意しております。
また、初期設定時において、主要なフリーメールサービスで正常に受信ができることを確認した状態でお客様にメール配信環境をご提供しております。
「送信制限」のような、メール配信におけるパラメータを細かく設定できるということは、ご利用者様側でのデリケートな運用をシステムとしてサポートしているということ。
最初のうちは運用に手間がかかるかもしれないワイメールですが、お客様だけのメール配信環境をご自身の手で大切に育てて頂き、長くご愛用頂ければ、メール配信システムを運営するワイメールのスタッフとしても、とても嬉しいことです。
今後もワイメールをよろしくお願いいたします