ステップメールでシナリオ分岐

今回も当コラムをご覧いただきありがとうございます。

さて、最近一部の大手メール配信サービスにおいて、シナリオ配信機能が追加されたとのプレリリースを目にしました。

実はワイメールでは、昔から基本機能だけで、こういった使い方ができるようになっています。

今回はワイメールで、このシナリオ配信(シナリオ分岐)と同等のことを実現するにはどうするかについて、具体的に解説してみたいと思います。

シナリオ配信とは

シナリオ配信(シナリオ分岐)とは、大まかに言えばマーケティングオートメーションや、業務効率化を実現するための機能の一つです。

読者のメール開封やコンバージョンなど、ある行動の記録から、あらかじめ最適化されたメールを自動的に配信するようルート(配信の流れ)を設定しておくことで、マーケティングを自動化することができます。

またネットショップなど、入金や配送準備が整った段階で次のメールを送る場合など、ある情報をトリガーとして、あらかじめ用意された次段階のメールを自動で配信する、などの仕組みづくりが可能です。

関連記事:ステップメールとは?ループメールとは?どうやって使い分ける?

シナリオ配信のメリット

これまで手動で行っていた営業的な工程(メール受信者の行動分析、リスト作成、配信設定)を自動化でき、最適な配信にかかる工数・時間を大幅に短縮できます。

またシステムが決められたルールで配信対象を抽出し、配信作業まで行うため、手動で行った場合の宛先間違い(ターゲット選定ミス)、配信忘れなど、人為的ミスを大幅に低減することが可能です。

シナリオ配信のデメリット

例えば、一度シナリオを分岐した後さらに分岐させたい時や、行動によって他のシナリオに変更したい時、再度基本ルートのシナリオに戻したい時などはどうすればいいでしょう?

ほとんどのメール配信システムの場合、シナリオのルートは一度設定したら固定される上、二次分岐や三次分岐は不可の場合もあります。

また他のシナリオに変更する際や、途中から元の基本ルートに戻したい時も、現在配信中のシナリオの後に続く形でその都度設定を追加しなければいけないので、フレキシブルな管理ができるとは言いにくい状況です。

ワイメールでシナリオ分岐

ワイメールでは、そもそもシステム的に「シナリオ」という概念がありません(Ver2.13時点)。

逆に言うと、ステップメールのストーリーに対して、自由項目を含めた強力なフィルタリング機能を適用することにより、同等の機能が実現可能なのです。(ここでは便宜上、ストーリー配信の流れのことを「シナリオ」と呼ぶことにします。)

また前述したデメリットを考慮し、特定のルートを固定化せず、読者の行動やトリガーによってフレキシブルに目的の記事を配信できるよう、あえて「シナリオ配信」という概念を取り入れていません。

簡単に言うと、実質的には現状の機能で同等のこと(読者にある条件を自動的に付与し、条件に合った読者に対して配信する記事を自動的に区別すること)ができる状況なので、今のところわざわざシナリオ配信機能として独立させていない、ということになります。

シンプルな分岐(一次分岐)の設定例

例として、1日目に配信したストーリーの開封の有無で、2日目のストーリーを分ける設定を行ってみます。

  • シナリオ分岐前の1日目のストーリーD1をHTMLメールで作成し、「開封率を測定する」に設定しておきます。
  • D1を開封した読者に対する2日目のストーリーD2Aを作成します。配信時期は「2日目」、配信フィルタの条件に「開封数:1~1」と「登録日:-1日後」を設定します。
  • D1を開封しなかった読者に対する2日目のストーリーD2Bを作成します。配信時期は「2日目」、配信フィルタの条件に「開封数:0~0」と「登録日:-1日後」を設定します。このとき配信時刻をD2Aと同じにするか少し遅らせるなどし、並び順がD2Aの後に来るようにします

管理画面上は下図のようになります。

D2Aの配信判定処理をD2Bの前に持ってくることで、D2Bを開封した人にD2Aが配信されてしまう、といった矛盾を防ぎます。

※「登録日」フィルタは、分岐数によっては不要ですが、二次分岐などをする時のためにここの例では設定しています。

※例ではD2A、D2Bは2日目のストーリーのため「登録日:-1日後」としていますが、それ以外の間隔にする場合はこのフィルタの値を調整し、遡った日付がちょうど読者登録日となるよう設定してください。

二次分岐の設定例

D2Aの開封有無で、3日目にストーリーを分岐したい場合をの設定を行ってみます。

  • 「読者移行設定」メニューで、「ステップメールの最終ストーリーまで配信した読者の処理」を「初回ストーリーから再度配信」に指定して保存します。

  • D2Aを開封した読者に対する通算3日目のストーリーD3Aを作成します。配信時期は「1日目」、配信フィルタの条件に「開封数:2~2」と「登録日:-2日後」を設定します。
  • D2Aを開封しなかった読者に対する通算3日目のストーリーD3Bを作成します。配信時期は「1日目」、配信フィルタの条件に「開封数:1~1」と「登録日:-2日後」を設定します。このとき配信時刻をD3Aと同じにするか少し遅らせるなどし、並び順がD3Aの後に来るようにします

管理画面上は下図のようになります。

※例ではD3A、D3Bは実質3日目のストーリーのため「登録日:-2日後」としていますが、それ以外の間隔にする場合はこのフィルタの値を調整し、遡った日付がちょうど読者登録日となるよう設定してください。

基本ルートに戻す設定例

開封の有無を考慮しない単純なストーリーを途中で全員に配信する(便宜上「基本ルートに戻す」と呼ぶことにします。)ときは、開封数のフィルタを使用しないストーリーを、任意の場所に組み込むことで解決できます。

お察しの通り、厳密には「戻す」という概念ではなく、フィルタリング機能により、個別のストーリーの配信可否を厳密に判定するという処理になります。

D3A、D3Bによる二次分岐の次の日(通算4日目)に、このストーリーを配信する場合を考えます。

  • 開封数を考慮しない4日目のストーリーD4を作成します。配信時期は「2日目」、配信フィルタに「登録日:-3日後」だけを設定します。

 

基本的な分岐設定の例は以上となります。

三次分岐する際も二次分岐と同様に、

  • 分岐対象のストーリーの配信時期を「通算日数 – 自動移行されるまでに経過した日数」に設定
  • 分岐条件(開封数など)のフィルタと併せて、読者登録日フィルタで配信対象者を限定

すればOKです。

ただしあまり階層を増やすと、構造が複雑になってしまうので、二~三次分岐程度にとどめておくことをおススメします。

今回は1つのメルマガの中で分岐設定を行いましたが、「ステップメールの最終ストーリーまで配信した読者の処理」で、他のメルマガに移行し、移行先で同じようにフィルタの調整を行うことでも実現できます。

運用上、シナリオ配信が終了した後、何かしらのメルマガに集約(自動移行)させる必要がある場合などは、こちらの方法をご利用ください。

 

なお、外部で発生するコンバージョン記録や、その他シナリオのトリガーとなる記録を、APIを利用せず読者情報に自動反映することができる裏技があるのですが、これについては長くなりますので、機会があればまた今度書きたいと思います。

ループメールとの併用

これらのシナリオストーリーをステップメールで稼働しつつ、並行してループメールも稼働することが可能です。

例えばお誕生日メールなどは、シナリオや開封数などに関係なく送る場合が多いかと思いますが、こういった性格のメールは、ループメールで登録しておくと便利です。

関連記事:メルマガ読者さまのお誕生日にバースデーメールを配信

フィルタリング機能に関する関連記事

この記事に興味を持っていただいた方は、ぜひ以下のエントリも併せてご覧いただければ、よりフィルタリングの応用についての理解を深めていただけるかと思います。

最後に

ワイメールでは、このようにフレキシブルなシナリオ管理ができる一方、シナリオの効果測定・効果比較・ルートフローが可視化しにくいといった課題もあります。

シナリオA(流れA)とシナリオB(流れB)ではどちらがより効果的か、といった、いわゆるシナリオとしてのABテストを重ねることで、より理想のマーケティングオートメーションが可能となります。

今後はこのような点についても、より使いやすいツールとなるよう、お客様のご意見などを基に進化を目指して参ります。

今後もワイメールをよろしくお願いいたします。