メール配信に使用されるメールエージェントとは?メール配信の仕組みと合わせて紹介

本日もメール配信システム「ワイメール」の公式コラムをご覧いただき、ありがとうございます。

普段何気なくメールソフトを通して送受信しているメールは、メールエージェントと呼ばれるソフトウェアにより送受信が行われていることはご存知でしょうか。

メールエージェントの存在・役割を意識することで、メール配信の際にメールソフト・メールサーバの内部ではどのような動作が行われているのかがわかります。

そこで今回はメール配信に関わるメールエージェントの概要と、それらのメールエージェントがメール配信する際にどのような動作を行うのかについて、ご紹介していきます。

また、メールエージェントを活用したメール配信システムには、大きく分けて「オンプレミス型」と「クラウド型」という2種類の提供形態が存在し、それぞれの提供形態の特徴やメリット・デメリットについてもご紹介していきます。

メールエージェントとは?

メールエージェントとは、メールの送受信においてそれぞれの機能・役割を担うソフトウェアのことです。

メール配信に関わるメールエージェントには以下のものがあります。

・MUA(Mail User Agent):メールの作成や確認を行うためのユーザインタフェース
・MSA(Message Submission Agent):メール送信者の識別・認証
・MTA(Mail Transfer Agent):メールの転送
・MDA(Mail Delivery Agent):メールの配送・仕分け

上記メールエージェントの動作により、下記画像の流れでメールは配信されます。

出典:清水正人(2010), Postfix実践入門, 技術評論社, p41, 図1-11

各メールエージェントの概要と、メール配信する際にそれぞれがどのような動作を行うのかについて、ご紹介していきます。

MUAとは?

MUAは日本語では「メールユーザエージェント」と呼ばれる、メールを作成したり、受信したメールを確認したりするためのGmailやOutlookなどのメールソフトのことです。

「メーラー」や「メールクライアント」と呼ばれることもあります。

簡単にメールが作成・送信・受信・管理できるように、MUA毎に様々な便利な機能が備わっています。

メール配信時のMUAの動作

MUAでメールを作成、送信することで、MUAで指定しているSMTPサーバ(メールサーバ)にメールがアップロードされます。

MSAとは?

MSAは日本語では「メッセージサブミッションエージェント」と呼ばれる、SMTPサーバで動作する、メール送信者を識別・認証するソフトウェアのことです。

送信者の認証には主に「SMTP-AUTH」という認証方法が用いられます。

メール配信時のMSAの動作

MSAは前述のMUAがアップロードしたメールを受け取り、メール送信者の識別・認証を行い、認証が成功した場合に、メールを後述のMTAに渡します。

なお、MSAを使用しない場合もあり、その場合は、前述のMUAがアップロードしたメールは、後述のMTAによって受け取られます。

MTAとは?

MTAは日本語では「メール転送エージェント」と呼ばれる、SMTPサーバで動作する、メールを転送するソフトウェアのことです。

MTAはSMTPサーバの重要な役割を担っており、後述のMDAと一体となっている場合も多いため、SMTPサーバやメールサーバ全体を指してMTAと呼ぶこともあります。

メール配信時のMTAの動作

MTAは前述のMSAもしくはMUAからメールを受け取り、送信先のメールアドレスのドメイン名のDNSサーバに問い合わせを行い、送信先のメールサーバのIPアドレスを取得することで、メールの送信経路を決定し、送信先にメールを転送します。

なお、送信先が自らのサーバ内にある場合は、後述のMDAにメールを渡します。

MDAとは?

MDAは日本語では「メール配送エージェント」と呼ばれる、SMTPサーバで動作する、メールをメールボックスに配送するソフトウェアのことです。

メール配信時のMDAの動作

MDAは前述のMTAから渡されたメールを、該当のメールボックスなどに格納します。

 

以上が、メールソフト(MUA)でメールを作成、送信してから送信先のメールサーバに届くまでの仕組みです。

なお、送信先のメールサーバまで届いたメールは、送信先のMTAによってMDAに渡され、MDAによって該当するメールボックスなどにメールが格納されます。

格納されたメールは送信先のメールソフト(MUA)などで確認することができます。

メール配信システムの提供形態

メールエージェントを活用したメール配信システムには、大きく分けて「オンプレミス型」と「クラウド型」という2種類の提供形態が存在します。

それぞれの提供形態の特徴やメリット・デメリットについてご紹介していきます。

オンプレミス型のメール配信システムとは?

オンプレミス型のメール配信システムとは、メール配信に必要なサーバ・ネットワーク・ソフトウェアなどの設備を自らで用意し、システムを構築して管理・運用を行うメール配信システムのことです。

オンプレミス型のメール配信システムのメリット・デメリットとして、以下のことが挙げられます。

メリット
・メール配信に関して自由に設定・管理することができる
・社内システムやソフトウェアとの連携がしやすい
・自らが管理するネットワークでシステムを運用することによる信頼性

デメリット

・クラウド型と比較して初期費用が高くなる
・システムの構築・運用に知識や手間が求められる
・システムのセキュリティ対策など運用管理する必要がある
・障害発生時に自らで対応する必要がある

クラウド型のメール配信システムとは?

クラウド型のメール配信システムとは、メール配信に必要なサーバ・ネットワーク・ソフトウェアなどの設備を自らでは用意せず、ネットワーク上に構築されたアプリケーションにネットワークを経由して利用するメール配信システムのことです。

なお、ワイメールはこのクラウド型のメール配信システムに該当しています。

クラウド型のメール配信システムのメリット・デメリットとして、以下のことが挙げられます。

メリット
・自らでシステムを構築する必要がなく、すぐに利用を開始することができる
・オンプレミス型と比較して初期費用が安くなる
・障害発生時の対応をメール配信システム提供会社に任せることができる

・サービスによっては簡単にシステムをカスタマイズできる

デメリット
・サービスによってはメール配信に関して自由に設定・管理することができない
・外部ネットワークでシステムを運用することによる不安感
・サービスによってはシステムをカスタマイズできない

最後に

普段何気なく送受信しているメールは、メールを送信してから送信先に届けるまでに、複数のメールエージェントと呼ばれるソフトウェアが動作することによって、メールを送り届けています。

メール配信システムの提供形態には、オンプレミス型とクラウド型がありますが、自らでメール配信システムを構築するのが難しい方や、システムの運用・保守管理に不安がある方には、クラウド型のメール配信サービスの利用をおすすめします。

クラウド型のメール配信システムであるワイメールでは、ご利用者様のご意見をもとに、多機能でありながら、シンプルでわかりやすく、かつ使いやすいUIを目指し、より良いメール配信システムとなるよう、フィードバックを重ねております。

現在クラウド型のメール配信システムのご利用をお考えの方は、是非この機会に、メール配信システム「ワイメール」のご利用をご検討いただけますと幸いでございます。