メールが受信トレイに届かない原因と対応策

本日もメール配信システム「ワイメール」の公式コラムをご覧いただきありがとうございます。

メールを配信していると、エラーメッセージが返却されていないのに関わらず、メールが受信トレイに届いていないといった現象に遭遇することがあるかと思います。

このような現象を見過ごし続けてしまった場合、メール配信自体を受信者から認識されず、せっかく時間をかけて作成したメールが読まれない状態が続いてしまう可能性があります。

そこで今回は、そのような現象の対応策についてご紹介していきます。

受信トレイ以外のフォルダ等への振り分け

メール受信環境の設定や仕様によって、プロモーションタブや迷惑メールなどの受信トレイ以外のフォルダ等にメールが自動で振り分けられている場合があります。

普段あまり使用しないフォルダ等にメールが自動で振り分けされてしまったことで、メールを受信しているにも関わらず、受信者がメールを受信していないと誤認してしまうことがあります。

メールの自動振り分けについては、受信環境によってその設定や仕様の詳細は異なりますが、過去に受信した履歴や、他の受信者からの報告状況なども統計し、総合的にメールの振り分け判定している場合や、受信者が設定した受信設定によってメールの振り分けが行われている場合があります。

受信者に受信トレイ以外のフォルダを確認してもらい、可能な場合はメール振り分け設定やその仕様について確認・変更してもらいましょう。

受信ブロック等が発生してもエラーが返却されない場合がある

通常、配信したメールが受信ブロックや受信拒否設定によって受信側のメールサーバに受け入れられなかった場合、メールの不達に関するエラーメッセージやエラーコードが返却されますが、受信側のメールサーバによっては、受信ブロックや受信拒否が発生した場合でも、メールをメールサーバに受け入れ、サーバ内でメールの削除等が行われる場合があります。

このような場合、配信したメールが正常にメールサーバに受け入れられたことで、メールを配信した側からは受信ブロックや受信拒否が行われたことを検知できません。

受信ブロックや受信拒否については、受信側のサーバ管理会社に解除申請などを行う事で解除が可能な場合があります。

また、受信環境でセキュリティソフトを使用している場合は、セキュリティソフトによって配信したメールが受信ブロックや受信拒否されてしまっていることがあり、受信者にメールが受信可能なように、その設定や仕様を確認・変更してもらう必要がある場合があります。

SPFとDKIMの設定

そもそもSPF(Sender Policy Framework)とは、送信元ドメインのDNSサーバーに、あらかじめSPFレコード(配信を許可するIPアドレスを特定の書式で記述したもの)を設定しておき、受信者が、受信したメールの送信元メールサーバーが許可されたものかを判別できるようにする仕組みのことです。

また、DKIM(Domainkeys Identified Mail)とは、DNSレコードで他者に公開する「公開鍵」と、送信者(ワイメールの場合は送信システム)のみが知っている「秘密鍵」のペアをあらかじめ用意し、メールの送信時に秘密鍵で電子署名を行い、受信者が送信元ドメインのDNSレコードに記載された公開鍵を問い合わせて署名を検証し、配信が正当な配信元から行われたかどうかを確認する仕組みのことです。

SPFとDKIMが適切に設定されていない場合、受信者側からなりすましメールとして認識され、メールが届かない可能性が高くなります。

SPFとDKIMの設定には専門的な知識が必要となるため、自身で設定を行うのが難しい場合は、システム開発会社等にご相談いただくか、SPFやDKIM等のドメイン認証設定をオプション等で行なっているメール配信サービスのご利用をご検討いただくと良いかと思います。

なお、ワイメールでは、サービスにお持ち込みいただくドメインおよび貸与ドメインに対して、初期設定時にデフォルトでSPFやDKIM等のドメイン認証設定を行なっているため、ご利用者様側で特にご対応いただくことなく、SPFとDKIMのドメイン認証を有効にしてメール配信をすることができます。

ただし、送信元アドレス(Fromアドレス)のドメインを、サービスにお持ち込みいただくドメインおよび貸与ドメインから変更してメール配信を行う場合は、SPFは無効となり、DKIMは第三者認証が有効となります。

この場合は、ワイメールのオンラインヘルプ等を参考に、変更後のドメインに対して、自身でSPF設定を行う必要があります。

なお、ワイメールにおけるSPFとDKIM等のドメイン認証につきましては、以下の記事などがご参考になるかと思いますので、必要に応じてご覧頂けますと幸いです。

送信元ドメインの変更となりすまし判定を回避して受信ブロックや迷惑メールフォルダへの振り分けを低減する

ブラックリストへの登録

過去に送ったメールの内容や配信頻度等から、メールの送信元のIPアドレスやドメインが、受信サーバやSpamhaus、Proofpoint、MXToolBox等の迷惑メール対策団体が管理するブラックリストに登録されてしまうことがあります。

これらのブラックリストに登録された場合、配信するメールが多くの受信環境で受信ブロックを受ける等、大きな影響を及ぼすため、多くの受信者からメールが届いていないとの連絡を受けた場合は、ブラックリストに登録されている可能性があります。

ブラックリストへの登録は、各受信サーバ管理会社や迷惑メール対策団体のWebサイトにて登録の確認、解除申請を行うことができます。

なお、ブラックリストに登録される主な原因としては、メール受信者からの迷惑メール報告を多く発生させたことや、迷惑メール対策団体のスパムトラップのメールアドレスにメールを送ってしまったことが挙げられます。

ブラックリストに対する解除申請が受理され、登録が解除された場合でも、その後登録原因に改善が見られない場合は、再度同ブラックリストへの登録が行われる可能性が高いです。

そのため、ブラックリストへの登録が確認された場合は、解除申請を行うだけではなく、配信するメールの内容や頻度、配信リスト等を見直していただくことを推奨致します。

また、過去の記事にて、ブラックリスト登録される原因と対策についてご紹介しておりますので、必要に応じてご覧頂けますと幸いです。

最後に

配信したメールが受信トレイに届いていない時に何も対応せず放置してしまうと、せっかく時間をかけて作成したメールはいつまでも受信者に読んでもらえず、メールを配信していることさえ認識されず、メールの配信元としての信用を損なうことに繋がりかねません。

そのため、配信したメールが受信トレイに届いていないことが確認された場合は、今回ご紹介したような対応の実施を検討していきましょう。

免責事項

当コラムの内容は、コラム執筆時点での内容です。今後のバージョンアップ等により、仕様やサービス内容が変更になる場合がございます。