弊社で実際に使っているリモートワーク用サービス6選

今回も当コラムをご覧いただきありがとうございます。

本日はいつものコラムとは少しテイストが違いますが、少しでも社会のお役に立てればと思い、このようなテーマにしてみました。

リモートワークを検討中の方、リモートワークを導入したが効率の悪さを感じている方は、ぜひ一つの例として参考にしていただければ幸いです。

はじめに

新型コロナウィルスの影響ならびに働き方改革の一環として、弊社でも3月中旬よりリモートワークを導入させていただいております。

業務の一部または全部をリモートワークに切り替えた場合、クライアント側の立場として気になるのが、サービスの質が低下するのではないか?という点だと思います。

確かに従業員同士が同じ場所に介していないので、情報の共有不足により、顧客対応の質や、レスポンスが悪くなってしまうのではないかということが懸念されますが、今の時代はそれを補って余りある優秀なサービスがたくさんあることも事実です。

弊社では主にここでご紹介するサービスを有効に活用し、サービスの品質を落とすことなく、スムーズにリモートワークへの切り替えを行うことができました。

お客様にとっても今までと変わらぬサービス体制を敷いておりますので、ぜひ安心して弊社サービスをご利用いただけばと存じます。

弊社で実際に利用しているサービス

チャットツール

Slack

これはもはや有名なチャットツールですね。弊社でもリモートワークを導入する前から使用しています。

出退勤報告からサービスの開発状況など、テーマ別にスレッドを分けて管理し、必要に応じて情報共有を行っています。

コードやソースを共有したりする際に便利なスニペット機能など、システム開発業務にも過不足なく対応し、UIもかなり使いやすく工夫されている印象です。

アプリもあるので、席を離れている際もスマホに通知が来てすぐ確認できます。

無料プランでも10,000件のメッセージまで利用可能です。

WEB会議システム

Google Hangout

WEB会議システムというとZoomなどが有名ですが、Google Hangoutは無料で開始できる上に、Googleアカウントを持っていれば、会議室作成時も会員登録など面倒な手続きが不要です。

通話品質も特に問題なく、画面共有など最低限の機能は装備していますので、現在は主にこれを利用しています。

Slackのアプリとして組み込むことも可能で、Slackチャット中に1コマンドですぐに会議室を作成し、気軽にWEB会議を開始することができます。

メール配信(個別対応)

Gmail

言わずと知れたGoogleのメールサービスです。会社のすべてのメールアドレスを送受信できるようインポートしGmailで一括管理しています。

Gmailのビジネス版であるGSuiteでは、スレッドタイプにして担当者を割り当てたり、いろいろなビジネス機能が利用可能です。

ただ弊社は小さな事業所なので、用件の途中からでも他の担当者が対応できるようスレッドタイプにはせず、ラベル機能を使って個々のメールに対応しています。引き受けるメールに自分のラベルを付けて区別しているといった感じです。

電話対応

MOT/PBX

今まで一般的なビジネスフォンを利用していましたが、リモートでカスタマーサポートを行うために新規導入しました。

すべてのスタッフに携帯電話を支給するとかなりのコストがかかりますが、MOTは個人のスマホを内線化できるため、MOT/Phoneアプリを入れることで、代表にかかってきた電話を個人のスマホに一斉転送することができます。

基本的に業務の電話はMOT/Phoneアプリを利用しますので、プライベートの電話と混同することはありませんし、アプリから外部に電話をかける場合、会社の代表番号で発信することができ、通話料はどこにかけてもすべて無料です。

PBXルータを設置する必要があるので初期費用はそこそこかかりますが、一番下位のプランでも月々3,980円で10チャンネル20内線まで利用可能です。(回線数を増やす場合は別途NTTなどと契約が必要)

その他オプションで、勤怠管理システム、WEB会議システム、ネットワーク利用者を限定できるゲートウェイサービスなどさまざまな商品を提供しています。

これから電話転送サービスを導入する場合や、既存の代表番号にこだわらない場合など、番号の指定がないのであれば、さらに初期費用が安く、光回線不要、来社しての初期設定も不要なMOT/TelというクラウドPBXサービスがあります。

シングルサインオン

Trust Login

GMOグローバルサイン社が提供しているシングルサインオンサービスです。こちらも無料で利用開始できます。

シングルサインオンとは簡単に言えば、業務で利用するさまざまなWEBサービスへのログインID・パスワードを一元管理し、共通のID・パスワードで利用できるようにしたり、ログインできる対象を限定したりできるサービスです。

有料プランにアップグレードすることで、認証を強化しセキュリティを高めることもできます。

複数のIDとパスワードを管理する手間から解放されることで利便性が向上する上に、パスワードをメモしたりブラウザに保存せずに済むため、キュリティも向上します。結果的にパスワードの使いまわしによる漏えいも併せて防ぐことができます。

ここで紹介しているサービスも、ほぼすべてTrust Loginを介して利用しています。

メール配信システム(クライアントなどへの一斉連絡、告知等)

ワイメール

もちろんこれはワイメールですね。

もともとWEB上で動作するASP型のメール配信サービスなので、特に何の準備も要らずにそのままリモートワークで利用可能です。

今まで当コラムでいろいろな使い方や機能の紹介をしてきましたが、事務的なメール配信からHTMLメール形式でのコラム配信、ステップメール、ループメールなど豊富な機能を搭載し、ほぼすべてのメール配信シーンに対応できます。

使い方次第で可能な限りメール配信を自動化し、業務の効率化を図ることが可能なのがワイメールを使う上での大きなメリットの一つです。ぜひこのあたりも過去のエントリをチェックしてみてください。

現在開発中の次期バージョンでは、自動IPウォームアップ機能や記事作成時のUI改良など、ますます機能を充実させていく予定ですので、ぜひ楽しみにしていただければと思います。

また最近、マニュアル・ヘルプ・コラムとは別に、「メール配信の基礎知識」というページを開設いたしましたので、お時間あればぜひこちらもチェックしてみてください。

その他

Googleカレンダー

業務用のアカウントでクリティカルな予定などを共有しています。個人のアカウントを紐付ければ、会社の予定と個人の予定を同時に表示できます。

Git

世界で最も利用されているバージョン管理システムです。リモートワークでなくともシステム開発業務では必須でしょう。

プロキシサーバ(踏み台サーバ)

会社用のプロキシサーバを立て、会社のサーバや顧客サーバなどにアクセスできるのはプロキシからのみとすることでセキュリティを高めています。もちろんプロキシサーバーは許可された人間しか接続できません。

実際にリモートワークを行ってみてどうか

以下に実際に感じたメリットとデメリットを挙げてみます。

メリット

  • 通勤がないため、従業員は終業と同時に仕事から解放される
  • 今まで通勤に割いていた時間を、勉強・趣味・睡眠などに充てることができる
  • 無駄(?)なおしゃべりが減るので、集中力が高まり作業効率が上がる
  • 集団生活の気遣いがあまりいらず、対人ストレスが減る。
  • 会社帰りの無駄な出費が無くなる
  • 宅配便などいちいち時間指定しなくても、家にいるので基本受け取れる
  • 交通費の支給が不要(会社側)
  • チャットツールなど、文字を使って相手に伝える機会が増えるため、結果的に物事の順番を考え、要点を整理して伝える癖がつく。また文字で伝えることにより記録が残る。

デメリット

  • 自分を律せないと、公私が混同したり生活のリズムが不規則になる
  • 定期的に打合せを行ったり、コミュニケーションを図らないと、他人や自分の進捗・評価が分かりにくくなる
  • 新人や一定の水準に達していないスタッフに対するケア・教育がしにくい(今何をやっているのかなど、成果の状況や能力がわかりにくく、新人も気軽に上司に聞きづらい)場合があるため、計画的に教育を行ったり、打合せ以外でも積極的にコミュニケーションを取る必要がある
  • 会社への郵便物の確認に時間がかかる
  • 運動不足になりがち

 

いろいろ書きましたが、総じて言うと、うちの場合は通常業務を行っていくぶんにんはほとんど問題ない、というのが率直な感想です。

もちろんリモート勤務ができる業種とできない業種があるかと思いますが、例えば1日のほとんどをデスクで過ごすような職種の方であれば、今の時代であれば、ご紹介したサービスなどを活用することで、すぐにでもリモートに切り替えることが可能です。

セキュリティ上の問題

リモートワークを始めるとなると、必然的に外部からのアクセスを許可することになるので、セキュリティ上の問題が必ず伴います。

実際問題、セキュリティ対策もお金と時間をかければいくらでもガチガチにすることは可能なため、挙げ始めるとキリがないというのも事実です。

またヒューマンエラーによるリスクは必ず伴います。例えば、会社のネットワークにアクセスできるUSBメモリやクライアント証明書などを社員に配布したとしても、それを無くしたりコピーされてしまったら意味をなしません。

今回紹介したシングルサインオンサービスや、プロキシなどを採用することで、最低限のセキュリティは確保できる時代ですので、まずは会社としてのセキュリティガイドラインやポリシーを確立し、その基準に照らし合わせて、最終的には合理化とのバランスの中で決めていくのが妥当と言えるでしょう。

なおネットワーク侵入のリスク低減に関しては、中小企業が比較的採用しやすい+αの対策として、VPNを利用した接続や、先に紹介したMotのゲートウェイサービスなどが比較的低予算で有効に利用できるでしょう。

最後に

日本のリモートワーク導入率は、本コラム執筆時点で25%と、まだまだ欧米に比べ低いですが、今後このような実績に伴ってリモートワークの利点が広く認知され、採用する企業も増えてくるのではないかと思います。

なお今の日本では「私は営業なのでリモート勤務は絶対無理」という方も一定数いるかと思います。

しかし現実には、

  1. 他社営業の方からメール(または電話)で提案あり
  2. WEB会議システムで打合せ
  3. クラウドサイン(または郵送)で契約
  4. サービス利用開始

と、一度も営業担当者と会わずにサービスを採用したことは何度もあります。

これはIT業界の例なので、まったく同じとはいかないにしても、例えばこのフローの一部を会社が認めてくれれば、営業担当の方でも週の何日かをリモート勤務とすることが可能です。

セキュリティ上の問題についても、それを解決するための手段(暗号化技術や通信規格)もどんどん進化し、安価に手に入るようになっていくことでしょう。

リモートワークがすべてではありませんが、このような人間の知恵と社会の理解により、一層の働き方改革が推進されることを望むばかりです。