本日もメール配信サービス「ワイメール」の公式コラムをご覧いただきありがとうございます。
メールマーケティングは依然としてROIの高いチャネルですが、運用していくと「開封されても読まれない」「クリックされない」といった課題が生じる場合があります。
その中で注目されているのが動画コンテンツの活用です。
テキストや静止画だけでは伝えきれない情報を短時間で強く印象づけられる動画は、ユーザーの関心を引きつける有効な手段です。
特に以下のような背景が追い風になっています:
- スマートフォン視聴の定着
- SNSでの動画消費の増加
- 短尺動画への慣れ
つまり、ユーザーの情報取得スタイルが動画中心に変化しているのです。
そこで今回のコラムでは、メールマーケティングに動画を活用することで得られるメリットや、メールで動画を見せるための実装方法と設計ポイント、導入フローについて紹介していきます。
メールマーケティングに動画を活用する効果
動画の効果は単一ではなく、ユーザーの行動プロセス(認知→理解→比較→意思決定)全体に連鎖的に作用する点に本質があります。
ここでは、マーケティングファネルに沿って整理して紹介していきます。
【認知〜興味】クリック率(CTR)を引き上げるトリガー
メールにおける最初の関門は「開封後にクリックされるか」です。
この段階では、ユーザーは内容を深く理解しようとしていません。
動画はこのフェーズで強い効果を発揮します。
なぜCTRが上がるのか:
- サムネイル+再生ボタンが“視覚的ノイズ”として目立つ
- 「動画=短時間で理解できる」という期待がある
- テキストよりも内容を想像しやすい
特に重要なのは、読むよりも見る方が心理的ハードルが低いことです。
結果として、ユーザーは深く考えずにクリックしやすくなります。
【理解フェーズ】情報処理効率を高め、離脱を防ぐ
クリック後、ユーザーは「内容を理解するフェーズ」に入ります。
ここでの課題は、情報の複雑さによる離脱ですが、動画の以下のような効果がこの課題を解決します。
- 複雑な情報を時系列で整理できる
- UIや操作を直感的に見せられる
- 抽象的な概念を具体化できる
例えば:
- SaaS → 操作デモ
- EC → 使用シーン
- サービス → ビフォーアフター
動画は理解にかかる時間と認知負荷を同時に下げることができるのが強みです。
【比較・検討】不安を解消し、意思決定を前に進める
ユーザーが比較・検討段階に入ると、主な障壁は以下になります。
- 本当に効果があるのか?
- 自分に合っているのか?
- 失敗しないか?
動画はこれらの不安に対して、以下のような強い解決力を持ちます。
- 実際の使用イメージを見せられる
- 成果や変化を視覚的に証明できる
- 人の声や表情による信頼補強ができる
ユーザーは動画を通じて、自分が使った未来を具体的に想像できるようになり、意思決定を一歩前に進めることができます。
【意思決定】コンバージョン率(CVR)を押し上げる
最終的に重要なのは、コンバージョンです。
動画がCVRに効く理由はシンプルで、「理解・納得・信頼」が揃うためです。
具体的には、
- 内容理解 → 誤解が減る
- 疑似体験 → 利用イメージが明確になる
- 信頼形成 → 不安が減る
これらが揃うことで、ユーザーは今決めてもいい状態になります。
【接触後】記憶定着と再訪行動への影響
多くのユーザーは比較検討を継続します。
ここで効いてくるのが、以下のような動画の記憶定着効果です。
- 映像+音声による多感覚刺激
- ストーリーとしての理解
- 感情への訴求
結果として、後日比較する際に「思い出される確率」が高くなります。これは、指名検索や再訪問の増加につながります。
どのケースで動画を使うべきか
全てのメールに動画が必要なわけではありません。
効果が出やすいのは以下のケースです。
動画が有効なパターン
- 説明が複雑(SaaS・無形サービス)
- 使用シーンが重要(EC・ツール系)
- 信頼が重要(高単価商材・BtoB)
逆に不要なケース:
- 単純な告知(セール情報など)
- 即時性が重要(緊急連絡)
テキストで伝え切れる情報なのかどうかが判断基準です。
メールで動画を見せるための実装方法と設計ポイント
メールで動画を活用するには、どのように実装、設計するかが最も重要です。
ここでは、メール特有の制約を踏まえた上で、実装、設計方法を解説していきます
なぜメールでは動画が再生できないのか
まず理解すべきは、メールという媒体の技術的制約です。
多くのメールクライアントは以下の理由で動画再生を制限しています:
- セキュリティリスク(スクリプト・外部通信)
- レンダリングエンジンの制約(特にOutlookは独自仕様)
- パフォーマンス問題(通信量・表示速度)
その結果、以下のような技術的制約があります。
- <video>タグはほぼ無効
- 自動再生は不可
- 音声付き再生も制限
つまり、メール内のみで動画を完結させる設計は現実的ではありません。
サムネイル+外部遷移設計
この制約の中で最適解となるのが、「クリックさせて動画ページへ遷移させる設計」です。
基本構成
- サムネイル画像(動画の代表カット)
- 再生ボタン風のオーバーレイ
- 動画ページへのリンク(LP / YouTube / サービス内ページ)
なぜこの方法が推奨されるのか
① 全環境で確実に表示される
→ メールは互換性が最重要
② CTRを最大化できる
→ 「動画だと一目で分かる」設計が可能
③ 計測・改善がしやすい
→ クリック・CVを明確に追える
上記のように、技術制約を逆手に取り、クリック誘導に最適化された構造になっています。
ワイメールのHTMLエディタVersion2では、セットメニュー「ビデオ」をメール文中にドラッグ&ドロップするだけで、簡単にサムネイル画像+再生ボタン風のオーバーレイ+動画ページへのリンクを設定することができます。

ワイメールのHTMLエディタVersion2に関する記事は、以下をご参照ください。
<進化したエディタで一歩進んだHTMLメールも効率的に作成>
CTRを最大化するサムネイル設計
ここが最も差が出るポイントです。
同じ動画でも、サムネイル次第でCTRは大きく変わります。
効果的なサムネイルの要素
① 一瞬で内容が分かる
→「何の動画か」が視覚的に伝わる
② 再生ボタンを明確に配置
→視覚的にクリックできる形にする
③ 見る利点をテキストで補足
→「30秒で分かる」、「〇〇の使い方を解説」など見ることで何が得られるのか明示する
NGパターン
- 抽象的なビジュアル(イメージ画像のみ)
- 再生ボタンがない
- 動画内容が分からない
ユーザーは分からないものはクリックしないのが基本です。
動画遷移先(LP・動画ページ)の設計
見落とされがちですが、ここも極めて重要です。クリック後の体験が悪いと、すべて無駄になります。
必須設計
- クリック後すぐに動画が再生できる
- メール内容と動画内容が一致している
- ファーストビューに動画を配置
コンバージョンにつなげるポイント
- 動画直下にCTAを配置
- 動画内でも行動喚起を入れる
- ページ遷移を最小化する
動画を見た後どうするかを事前に設計しておくことが重要です。
成果を左右する「メール内配置」とコピー設計
実装は見た目だけではなく、配置とコピーも重要です。
配置の基本
- ファーストビューに動画要素を入れる
- スクロールせず認識できる位置
- CTAと近接させる
コピー設計
- 「動画で解説」など明示する
- 視聴メリットを具体化する
- 緊急性・限定性を加える(必要に応じて)
動画の存在を気づかせるだけでなく、動画を見たい理由を作ることが重要です。
ステップメールの効果的な利用については、以下の過去記事もぜひご参照ください。
動画メールの導入フロー
ここまでメールマーケティングに動画を活用する効果や実装方法を紹介してきました。
動画メールは、以下の流れで導入すると再現性高く成果を期待できます。
目的とKPIを明確にする
最初にやるべきは「動画を入れる理由」を定義することです。
よくある目的として以下のものが挙げられます。
- CTRを上げたい
- CVRを改善したい
- サービス理解を促進したい
ここで重要なのは、どのマーケティングファネルに効かせるのかを決めることです。
例として以下のものが挙げられます。
- 認知〜興味 → CTR改善
- 理解 → 離脱防止
- 比較検討 → CVR改善
動画コンテンツの役割設計
次に、「どんな動画を作るか」を決めます。
ここでのポイントは、動画の種類を目的に合わせることです。
以下のようなパターンが挙げられます。
- デモ動画(理解促進)
- 導入事例(信頼構築)
- ベネフィット訴求(行動喚起)
動画は目的に紐づく一つの機能として設計する必要があります。
メールクリエイティブ設計(クリック最大化)
前章でも解説した通り、ここが重要です。
設計ポイントとして、以下のようなことが挙げられます。
- サムネイルで内容を一瞬で伝える
- 再生ボタンで動画と認識させる
- 「何が得られるか」をコピーで明示
動画遷移先とCV導線の設計
クリック後の設計で成果が決まります。
必須要素として、以下のようなことが挙げられます。
- すぐに動画が再生できる
- 動画とメール内容が一致している
- 動画の直後にCTAがある
ここでのポイントは、動画を見た後どうさせるかを事前に決めることです。
配信とデータ検証
配信後は必ず数値で評価します。
見るべき指標としては、以下のものが挙げられます。
- CTR(クリック率)
- 動画再生率
- CVR(コンバージョン率)
特に重要なのは、どこで落ちているかを分解することです。
例として、以下のようなことが挙げられます。
- CTR低い → サムネイル・コピー問題
- 再生率低い → 遷移先の問題
- CV低い → 動画内容 or 導線問題
改善と横展開
動画メールは「一度作って終わり」ではありません。
データ検証結果をもとに、改善していくことが重要で、改善ポイントとしては以下のようなものが挙げられます。
- サムネイル差し替え
- コピー変更
- 動画構成の調整
勝ちパターンを見つけて横展開することで、成果が安定していきます。
ワイメールでは、2つ以上の内容の異なる配信メールを比較して、どちらがより効果的かを測定することができるABテスト機能を提供しております。
当該機能を活用することで、効率的に勝ちパターンを見つけることができます。
ワイメールのABテスト機能に関する記事は、以下をご参照ください。
<ABテストでメールマーケティングの効果を最大化しよう【第1回】>
最後に
動画メールの本質はシンプルで、「理解させる → 行動させる」までを最短距離で設計することです。
動画はあくまで手段の一つですが、この手段を正しく設計できれば、メールマーケティングの成果は大きく変わります。
まずは、既存のメールに1本の動画を加えるところからでも構いません。
小さく試し、勝ちパターンを積み上げることが、最も現実的で再現性の高い、ユーザーの関心を引きつけるアプローチ方法です。
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